PENTAX K-xのダークノイズテスト

PENTAX K-x ダークノイズテスト

ホタルの写真星の軌道の写真などを撮るため、PENTAX K-xのダークノイズテストをやってみました。自分のためのメモみたいなものですが、参考にされる方がいるかもしれないのでUPします。
PENTAX K-xは31秒以上の露光は強制的に長時間NRがかかり、撮影時間が長くなりすぎて使いづらいため、テストはすべて30秒で行っています。私は本格的な天体写真はやらないので、数分以上の露光テストはやっていません。

私の使い方は数分以上の長時間露光はせず、かわりに10~30秒のコマをコンポジット目的で数時間連写することがあるので、いくつかのISO感度で30秒x60コマで30分連写したテスト結果を掲載しています。CMOSセンサーの発熱ぐあいを見るため、ボディで一番CMOSセンサーに近い部分にデータロガーのセンサーを付け温度を測定しています。

撮影は黒い写真が撮れるようカメラにレンズキャップを付け、連写モードでシャッターをクランプで押しっぱなしにし、すべてJPEGナチュラルで撮影。高感度NRと長時間NRはoffにしています。

これから下は、かなりマニアックな内容で、閲覧する人のモニターの性能・設定によっては比較の差がわからないかもしれません。

ISO200

ISO200

PENTAX K-xの基本感度ISO200で、シャッタースピード30秒の画像。Exifに記録されているカメラ温度は24°C。

ISO200 ピクセル等倍切出し

上の写真のピクセル等倍切出しです。
黒が、ほぼ真っ黒に写っています。画像処理の必要はありません。

ISO400

ISO400

PENTAX K-xのISO400で、シャッタースピード30秒の画像。Exifに記録されているカメラ温度は25°C。

ISO400ピクセル等倍切出し

上の写真のピクセル等倍切出しです。
ヒストグラムを見ればわかるのですが、完全な黒と言ってもよいレベルで非常に優秀。意外なのは、基本感度のISO200よりも良いこと。画像処理の必要はありません。(何度かISO200とISO400の比較テストをやったが、順位が逆転する事もあったので、ISO200とISO400は同等とみたほうがよい)

ISO400の連続撮影

ISO400の30分間連続撮影の詳細はこちら

連続撮影をすると、画像の上半分に横線のパターンが薄く出てくるのですが、問題ないレベル。画像処理で黒レベルを少し持ち上げれば簡単に消えます。

ISO400で30分連続撮影の最後の画像

ISO400の30分連続撮影での最後の画像のピクセル等倍切出し。

ISO400での温度変化グラフ

データロガーでの温度変化は、最初21.6°Cから最後23.6°Cまで、ゆるやかに上がっています。
Exifに記録されているカメラ温度は、最初23°Cから最後は23°Cで変化はありませんでした。

ISO800

ISO800

PENTAX K-xのISO800で、シャッタースピード30秒の画像。Exifに記録されているカメラ温度は25°C。

ISO800ピクセル等倍切出し

上の写真のピクセル等倍切出しです。
黒がほぼ真っ黒に写っています。ISO200 & ISO400よりはやや悪いが、問題ないレベル。

ISO800の連続撮影

ISO800の30分間連続撮影の詳細はこちら

連続撮影をすると、画像の上半分に横線のパターンが出てきます。被写体に応じて画像処理をやった方がいい。使えるレベルです。

ISO800で30分連続撮影の最後の画像

ISO800の30分連続撮影での最後の画像のピクセル等倍切出し。

ISO800での温度変化グラフ

データロガーでの温度変化は、最初22.6°Cから最後24.2°Cまで、ゆるやかに上がっています。
Exifに記録されているカメラ温度は、最初24°Cから最後は24°Cで変化はありませんでした。

ISO1600

ISO1600

PENTAX K-xのISO1600で、シャッタースピード30秒の画像。Exifに記録されているカメラ温度は25°C。

ISO1600ピクセル等倍切出し

上の写真のピクセル等倍切出しです。
ISO200~ISO800に比べると、真っ黒とは言えないレベル。適切な画像処理をすれば使えます。

ISO1600の連続撮影

ISO1600の30分間連続撮影の詳細はこちら

連続撮影で出る横線のパターンが目立ってきました。ISO1600は連続撮影するならダーク演算処理は必須。それか連続撮影はやめて、適切なインターバルをとって撮影した方が良いでしょう。

ISO1600で30分連続撮影の最後の画像

ISO1600の30分連続撮影での最後の画像のピクセル等倍切出し。

ISO1600での温度変化グラフ

データロガーでの温度変化は、最初23.6°Cから最後24.4°Cまで、ゆるやかに上がっています。
Exifに記録されているカメラ温度は、最初27°Cから最後は27°Cで変化はありませんでした。

ISO3200

ISO3200

PENTAX K-xのISO3200で、シャッタースピード30秒の画像。Exifに記録されているカメラ温度は25°C。

ISO3200ピクセル等倍切出し

上の写真のピクセル等倍切出しです。
真っ黒とは言えないレベル。適切な画像処理をすれば使えます。

ISO3200の連続撮影

ISO3200の30分間連続撮影の詳細はこちら

連続撮影で出る横線のパターンがかなり目立ってきました。ISO3200は連続撮影するならダーク演算処理は必須。それか連続撮影はやめて、適度なインターバルをとって撮影した方が良いでしょう。

ISO3200での温度変化グラフ

データロガーでの温度変化は、最初22.2°Cから最後23.8°Cまで、ゆるやかに上がっています。
Exifに記録されているカメラ温度は、最初25°Cから最後は25°Cで変化はありませんでした。

ISO6400

ISO6400

PENTAX K-xのISO6400で、シャッタースピード30秒の画像。Exifに記録されているカメラ温度は25°C。

ISO6400ピクセル等倍切出し

上の写真のピクセル等倍切出しです。
さすがに黒とは言えなくなってきました。画像処理をやっても消しきれないレベル。

まとめ

テスト結果を見ると、ISO200とISO400はほぼ同等。それ以上の感度は、感度が上がるにつれて徐々に悪くなる。

一般的な夜景撮影なら、三脚を使えればISO200,ISO400を多用したい。手持ちで高感度を使う場合はISO3200までにとどめたい。それ以上は非常用。
連写で数十秒の写真を何枚も撮る場合はISO800までは安心して使える。それ以上の感度は画像処理のスキルが必要。

連続撮影でCMOSセンサーが高発熱するかと思って温度を測定したが、予想したよりもゆるやかな温度変化だった。CMOSセンサーに温度センサーを直接付けたわけではないので、温度はあくまで参考値。

夜景撮るには優秀なCMOSセンサーを搭載したカメラなのだが、リモコンレリーズ端子が無いのは痛い。赤外線リモノンだけでは、撮影の幅が狭くなる。

できるだけ多くの画像を用意しているので、評価は各人でおこなって下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

ドッグフォトグラファー 八木橋 一男  神奈川・静岡・山梨での犬と泊まれる宿での犬の撮影を経て、飛行犬グループに加入。これまで、約4,000頭の犬を撮影。’14年BS日テレ「わんニャン倶楽部」’15年日テレ「シューイチ」に出演。