魚眼を超広角にする

魚眼レンズは、焦点距離以上に広範囲に撮れます。

対角魚眼 10mm
焦点距離
超広角 10mm
94度
垂直画角
76度
142度
水平画角
99度
180度
対角画角
109度

上の表は、私が使ってるPENTAX istDSのAPS-Cサイズと呼ばれるCCDサイズ(23.5×15.7)での理論値(計算値?)です。 実際には、多少誤差があると思います。
こんなに広範囲に撮れるのだから、画像処理で魚眼レンズを超広角レンズとして使えないか色々調べ、試してみました。

1枚目の写真を、画像処理で湾曲を真直ぐに伸ばしたものです。
中の四角の線は、APS-Cサイズでの各焦点距離での超広角レンズが写せる範囲です。
こうやって見ると魚眼レンズは、とても広い範囲を写せるものですね。

私が使っているのは、Panorama ToolsのPhotoshop PlugInsです。
オープンソースで、Windows,Macintosh版があります。

Windows版 Photoshop CSで検証しています。 これから先は、Windowsでの話しになります。

オリジナルのPanorama Toolsは、開発が終了しており、別の方々が引き継いでるようです。
オリジナルのPanorama ToolsのPhotoshop PlugInsでは、16bit画像処理や円周魚眼レンズには対応しておらず、対応してるものを使っています。
Photoshop 5.5 以上、Photoshop Elements で動作するようです。

インストール

  1. Panorama Tools Plug-ins (16-bit)から、16-bit plug-ins, version x.x(PTFilter.zip) とpano12.dllをダウンロードします。
  2. PTFilter.zipを解凍して、中の拡張子.8BFを全て、”Photoshop\Plug-Ins\Filters”に入れる。 私の場合は、”C:Program Files\Adobe\Adobe Photoshop CS\プラグイン\フィルタ”になっていました。 環境に合わせて変えて下さい。
  3. pano12.dllを”C:WINDOWS\system32″に入れる。 これでインストール終了。

Photoshopでの画像処理

・Photoshopを立ち上げ、魚眼画像を開く。
・フィルタ > ePaperPress > PTAdjust を選択。
・Set をクリック。
 

・Options for Insert/Extract に必要な数値を入力後OKをクリック。
前の画面に戻ってOKをクリックで画像処理開始。

Options for Insert/Extractの入力のしかた

  • 1. Image: となってる点線の上段部は、画像処理前の情報になります。
  • 2. Panorama: となってる点線の下段部は、画像処理後の情報になります。
  • 3. HFOV: には魚眼レンズの水平画角を入力します。
    APS-CサイズのCCDで、10mm前後の180度対角魚眼の場合は、約142度。
    APS-CサイズのCCDで、15mm前後の対角魚眼の場合は、約97度。
    35mmフルサイズのCCDで、15mm前後の180度対角魚眼の場合は、約142度。
    円周魚眼レンズの場合は、CCDサイズにかかわらず、一律180度になります。
  • 4. HFOV: には、出力したい水平画角を入力します。
    例 APS-Cサイズの焦点距離10mmの画角が欲しい場合は、水平画角99度になります。
  • 5. Format: 対角魚眼で撮影された画像であれば、Fisheye FFr を選択。
    円周魚眼で撮影された画像であれば、Fisheye Circle を選択。
  • 6. Format: Rectilinear を選択。
  • 7. Yaw,Pitch に角度を入力する事によって、上下・左右に画像を傾け、シフトレンズの効果を出せます。 Rollは回転。

1枚目の10mm対角魚眼レンズの画像を、焦点距離10mmの超広角レンズ相当に変換した画像です。
どうしても周辺の画像は悪くなります。
12mm相当の画角までは使えそうですが、10mm以下だと、かなり悪くなります。

これで、魚眼レンズを超広角レンズとして使えるのですが、パースペクティブが何mm相当かは不明です。 あと、ファインダーを見ながらフレーミングは出来ないですね・・ 🙁

最後に、APS-Cサイズで超広角レンズと、DA FISH-EYE 10-17mm での水平画角の表を載せておきます。
これは、測定したわけではないので、推測値です。
正確な値ではないので、目安程度に参考にして下さい。
ちなみに、DA FISH-EYE の10mmでは、水平画角が137~139度で設定するのが、一番歪みが少なく感じられました。

APS-Cサイズでの水平画角
焦点距離
DA FISH-EYE 10-17mmでの水平画角
112度
8mm
105度
9mm
99度
10mm
142度
94度
11mm
133度
89度
12mm
124度
84度
13mm
115度
80度
14mm
106度
76度
15mm
97度
73度
16mm
88度
69度
17mm
79度

12 件のコメント

  • >カカオさん
    デジタル処理は、便利なものですね。
    私は、超広角レンズ持っていないので、これはとてもありがたいです。
    トリミングは、中央に行くほど画質が良くなるのですが、12mmくらいまでなら使える画質でした。
    web用なら、10mmでもOKかな。

  • 最近、デジタル処理が進むと1本のレンズでいろいろな名レンズの特性をエミュレートさせてしまう何てことも出来るのでは?とか、レンズの歪みをデジタル処理で補正しているカメラがある(?)なんて話題を見かけたり、ガイドに従って3枚を撮影してデジタル処理で1枚のパノラマにするなんてカメラもあったり、今後はデジタルならではの技術活用が盛んになりそうな気がしていたところだったのですが、魚眼レンズの画像を加工して超広角にするとは目から鱗でした。
    縦横比3:2にこだわらず上下を切ってしまうと、凄くワイドになったりして?(画質の問題がありそうですが)面白いですね~。

  • >TAKA♪さん
    さすがにレンズのシュミレートは、処理が大変そうで先の話になりそうですが、ノイズリダクションなどは実用化されてるデジタル処理ですね。
    パノラマはコダックでしたっけ?サンプルパノラマを見たのですが、なかなか凄いです。
    魚眼を画像処理で歪を伸ばして、数枚くっつければ広大なパノラマ写真ができます。
    記事中のPanorama Toolsで作れるのですが、色々試しています。 面白いですよ。 🙂

  • 😀
    はじめまして。
    綿密なレンズの画角のレポート、流石ですね。
    欲しいレンズなので、興味津々です。
    加工技術も素晴らしいですね。
    楽しみが増えました。
    最近やっと、istDs2を入手出来たので、勉強になります。

  • >woodyさん
    この魚眼レンズは、とてもお勧めですよ。
    私は、銀塩の時にいくつか魚眼レンズを使ってきましたが、このレンズが一番良いです。
    DS2もがんばって使いこなして下さい。 🙂

  • ABOUTこの記事をかいた人

    ドッグフォトグラファー 八木橋 一男  神奈川・静岡・山梨での犬と泊まれる宿での犬の撮影を経て、飛行犬グループに加入。これまで、約4,000頭の犬を撮影。’14年BS日テレ「わんニャン倶楽部」’15年日テレ「シューイチ」に出演。